リーダーシップ卒業論文
火を囲んだ集まりとプレイバックシアターについて
藤崎育子
2006年11月01日提出
= 目次 =
1.テーマの説明
1-1 テーマ
1-2 テーマを選んだ理由
2.テーマの分析
2-1 火について
2−1−1 「火の歴史」と「ギリシャ神話」
2−1−2 人が火をかこう「火」について
2−1−3 部族から「火」の役割の考察
2−1−4 分析した結果「火」の役割
2-2 「かこう」について
2−2−1 「囲う」ことの…構成されていく課程
(2−1−1「火の歴史」の項目と2−1−3 部族から「火」の役割の考察の3)項目から)
2−2−2 「囲う」ことの…構成される形(枠組み)
2−2−3「火」から「囲う」ことにより役割の変化・形成されるモノ
2−2−4「火」と「囲う」の役割
2-3 プレイバックシアターのリチュアル
2−3−1 スリーサークルのリチュアル(カンパニーからの視点)
2−3−2 観客はリチュアルを求めている
2−3−3 リチュアルの再確認
3.「火を囲うこと」と「プレイバックシアター」の関係について
3−1 「火」のもう一つの大切な要素
3−2 「火」と「ストーリー」について
4. 結論
5.
終わりに
1.テーマの説明
1-1 テーマ
火を囲んだ集まりとプレイバックシアターについて
1-2 テーマを選んだ理由
私は何故プレイバックシアターに興味を持ちそして続けているのかを考えた際に、火をかこむことにプレイバックシアターのリチュアルとの類似点があるのではないかと思った。
民族が集まって火を囲んで話をする。話だけではなくそこで踊りがあり歌があることに注目をした。又その中に何故火があるのか?火をどうしてかこうのか?おそらく、暖を取る・食べ物を生から食物に火を使うことにより食べ物が豊かになっていく。そして民族たちが火の周りに集まるようになった。コミュニティーが出来ていき、そこには調和を保つために秩序がうまれただろう。集まる時期や儀式などがうまれたのかもしれない。
火を囲んで行うことは、項目が4つある。話をする(言葉)・踊り・歌・火をかこう
この4つとプレイバックシアターとの比較を行いその関連性について焦点を当てて考える作業を行うこととする。が、今回1つに絞り考察することにする。この4つの項目を上げた際に以上の内容を行うのは「人」が行う作業であることに気付く。又「人」以外の動物が行っているものもあることにも気付く。この気付きは偏りがあるかもしれないが以下の内容により、今回の考察する項目を選んだ。
〇話をする→猿の集団が威嚇のために猿同志でやりとりをしている。これは話をしていると解釈した。
〇踊る→
鳥が例えば雄の孔雀が雌の注意を惹く為に求愛ダンスをする様子
〇歌う→狼が月夜に向かって(私が見たのはシベリアンハスキー犬が)吠えているのが歌っているように見える様子
〇火を囲う→火を消すサイは映画「ブッシュマン」で見たことはあるが「人」以外の動物が火を囲うのだろうか?「人」以外にない。「人」故の何かがある気がする。
従って、《火を囲う》ことに焦点を絞る事とする。火を囲う行為は、最初の段階は生きるためのモノであったと思うが、それは暖を取る・食物が豊かになり、そしてコミュニティーが出来ていき、そこには調和を保つための規律が生まれ、又暖かさを感じながら火に集中し、集中することにより異空間の世界を導き出すのではないか。と推察する。その内容はプレイバックシアターの規律に値するスリーサークルのリチュアルと関連しているのではないかと考え、そのことについて検証していきたい。
その関連性について焦点をあて作業を行うことで、自分の興味がある所を見出し、居所をクリアーにし今後のプレイバックシアターの活動に活かす為に行うこととする。
2.テーマの分析
2-1 火について
2−1−1 「火の歴史」と「ギリシャ神話」
「火の歴史」
現代においては、火は当たり前に使われている。火を発生させるのに用いる道具があり簡単に手に入る。その道具とはマッチ・ライター・着火材等がある。では、火がどのように生まれたのだろうか?
3億年前、人類より前のことになるが石炭紀には樹木が地上をおおい火山の噴火や雷が出現していた。200万年前、人間の祖先ホモ・ハビリンスは火を恐れ、火を見ると逃げ出していた。100万年前、ホモ・エレクトスは、好奇心により山火事の後の燃え残った火に近づき子供のように火遊びをするようになった。そんな火を大切に守って使うことを学び、今度は木より自分で火を熾す技術を編み出し、ゆたかな人間性を育て・生活を豊かに出来る様になった。※1 さらに鉄の時代を作った火→産業革命をもたらした火→現代の文明を支える火と人間の文明は発達していく。※2
「ギリシャ神話」
大神ゼウスの命令で人間をつくった。しかし、火は神々のものだったからゼウスは人間には火を与えなかった。又人間には火に近づくことを禁じていた。ところが、プロメテウスがゼウスの命令にやぶり人間に火を与えてしまい、人間は生きるために寒さ・ひもじさから身を守るために火を使い出した。※3
火を調べて人間より火の歴史が長いことに驚いている。調べることにより納得した。「火の歴史」と「ギリシャ神話」からの視点でまとめると火の存在は、恐れる存在・尊い存在、神のものということになる。この名残りとして代表的なものはオリンピックにあるのではなかろうか。オリンピックの火である。聖火と呼ばれる火は、開催地から次の開催地にと今年で110年もの間(1896〜2006)燃え続けているとされている。又この聖火は上段に祭られ、火をともす場が与えられている。又何処からも見えるように配慮されている。これは先ほどに記した理由であると考えると納得がいく。
2−1−2 人が火をかこう「火」について
2−1−1「火の歴史」より現代までのことを述べたが、火をかこう事がテーマで火の配置は中心にある火について述べていくことにするが、火をかこう民族の例を上げることにする。
〇ボツワナ セツワナ系一族
満月の夜に村人たちが集まり火をかこんで先ず踊りをした後(繰り返しの動作100回続ける)前の満月の夜に集まった後から当満月まで1人1人語ると言う習わし。これは1晩中行われていると言う。※4
〇コンゴ(旧ザイール) ンガンドウ族
現地調査の筆記によれば「変な外人を観察する為にわざわざやってきた村人は、こんな晩にたき火を囲み、思いきりだべり、延々と歌や踊りを披露する。また口頭伝承者(カンガノヤノ)が同席でもしておれば大げさなほどの身振りと歌を交えた物語で子供や大人を朝までとりこにしていまう。※5
○その他の民族(ディンカ族・ルグバラ族・ドゴン族・フォン族・ロジ族)
アフリカの部族が共通する素描の書かれている「…アフリカの広大にして深い闇の中に、世界はその相豹をあらわにして立ちあらわれ、人間たちに襲いかかる。〜(中略)〜このとき、すでに死滅したかに見えた村々、陽に焦げる枯草の帽子を被った土小屋の相寄るささやかな村々は大いなる生の揚潮を迎える。夜を焦がす薪火、世界の神秘な力に呼掛ける太鼓のリズム、炎に映る群舞。」※6
2−1−3 部族から「火」の役割の考察
1)トランス状態
通常なら明日のために精気を養うために睡眠する時間にも関わらず長時間に渡り村人たちが話し歌い踊り続けている。これは日常ではない光景で、続ける行為(話をする・踊る・歌う)によりカタルシスが起りトランス状態なっていることが分かる。ンガンドウ族の訪問者の感想にそれが表されている。「異国からの旅人の訪問が彼らの日常の平静さを打ち破り集団のエネルギーを一気に発散させる起爆材になるようだ」※7
2)儀式的行事
日常でない時に行うことである。ボツワナ・セツワナ系一族、は満月毎に・コンゴ(旧ザイール)ンガンドウ族は客人が来た時に行われている。そして日常ではない違う場所に設け、そこに集まることがなされている。
3)安全な場所と時間を作り出す
夜に行われること。昼間は狩りや採集する村人も夜は火をかこみ、くつろぎの時を得る。赤々と燃える火は危険な野獣をよせつけずに安全に過ごせる時間となった。
4)日常の場所を非日常の場所に変容させる
これは部族の記録には書かれていない事だが、日々自然の中で狩り・採集などその日暮しで必要なモノだけを自然から生きるために食べるという生活状態からわざわざ、日常の場所→非日常の場所の2つの場所があると考えられにくいと思われる。従って、同じ場所で日常の世界から非日常の世界に変容させるスイッチではないかと考える。
2−1−4 分析した結果「火」の役割
以下の内容が、「火」の役割と考えられる。
1)神聖なる存在………………………………………2−1−1「ギリシャ神話」より
2)儀式的行事である…………………………………2−1−3 2)儀式的行事より
3)日常の場所を非日常の場所に変容させる………2−1−3 4)日常の場所を非日常の場所を変容させるより
4)安全な場所と時間を作り出す……………………2−1−3 3)安全な場所と時間を作り出すより
5)トランス状態となる………………………………2−1−3 1)トランス状態より
2-2 「かこう」について
かこうと言うことについて、囲うという文字がある。この意味を調べてみると
(1)外部の力が及ばないように周りをモノでとりまく。
(2)かばう、守る、保護する。
(3)野菜・果実を蓄えておく。
(4)妾などをひそかに別宅などにおく
の4つの意味があった。※8 検証している内容に値するのは、項目(1)(2)の意味に捉えられる。この「囲う」の言葉は動詞で、何がという主語・対象物が浮かぶ。2−1項であるならば、主語は民族の村人たち、対象物は火になる。それでは「火をかこう」の囲うについて考えていく。
2−2−1 囲う…構成されていく課程
(2−1−1「火の歴史」の項目と2−1−3 部族から「火」の役割の考察の3)項目から)
火を大切に使用するようになり夜の時間を生み出すことになった人間は、昼間の狩りの話に熱中し子供たちは熱心に大人たちの話しに耳をかたむけた。熱のこもった会話が言葉の世界を豊かにし、あふれる言葉が歌や物語を作りました。火をかこんだ夜の生活が人間らしい豊かな感情を育てた。※9 年月を重ねていく内に人は、話したい・歌いたい・踊りたい、の欲求が生まれてきたのではないだろうか?「人はだれでも語りたい、感じている、考えている」は、人間らしい豊かな感情が育てば育つほど、「人はだれでも語りたい」という欲求が出るのは世の常である。※10
2−2−2 囲う…構成される形(枠組み)
『円・サークルというイメージから』
「輪になって座るとお互いの顔がよく見える。話す人は語りかける相手の表情や反応を見ながら話せるし、聴く人は話す人の表情や身ぶりを見ながら話を聞けるので、お互いに適切な反応がしやすく、インタラクティブな場になる。 …(中略)… この輪のまん中には、中つ火が出来ます。みんなが持ち寄った様々な経験や知恵などが薪となります。お互いに敬意をもって聴こうという気持ちが発火剤になり、他の人の話をよく聴くことで理解の火花が散るのです。こうしてまん中の薪に火がつく。そして炎は常に動き変化していきます。」※11
以上の内容はサークルの形を書いたものだが、囲うことからすればサークル(円)という種類のもので必ずしもきっちりとした形を言っているのではない。お互いの顔が見える。話す人の表情が見える。そして、お互いに反応しあうことを伝えたいのだ。
そして、囲んだ人たちの話を「火」と捉えている所は注目するところである。
これらの条件が揃えば、構成される形と言えよう。
2−2−3「火」から「囲う」ことにより役割の変化・形成されるモノ
「火」の役割を2−1−3項で述べたが、「囲う」ことにより、より役割が明確に形成されるモノがあることに気がつく。よって、火の役割→囲うことの役割に変化することが望ましい。
−表1−
|
「火」の役割 |
「囲う」こと により明確に形成される → |
「囲う」の役割に変化 |
|
1)神聖なる存在 |
←そのまま |
|
|
2)儀式的行事である |
→(明確になる)→ |
儀式的場所の提供 |
|
3)日常の場所を非日常の場所に変容させる |
←そのまま |
|
|
4)安全な場所と時間を作り出す |
→(明確になる)→ |
安全な場所と時間の提供 |
|
5)トランス状態となる |
←そのまま |
|
表1により、「囲う」ことによりで明確に提供できるのは、儀式の場所・安全な場所となる。
2−2−4「火」と「囲う」の役割
2−2−3項により、それぞれの役割は、「火」⇔トランスパーソナルな次元を作り出す要素・「囲う」⇔安全な場所を作り出す要素となる。次にプレイバックシアターについて考えたい。
2-3 プレイバックシアターのリチュアル
2−3−1 スリーサークルのリチュアル(カンパニーからの視点)
プレイバックシアターにはスリーサークルがあり、それは芸術性(Art)・社会性(Soial)・リチュアル(Ritual)となる。逆説的に言えば、どの要素も大切であり3つの要素が満たされた時にプレイバックシアターと呼ばれるものとなる。ならば、スリーサークルのバランスが大切になると考える。※12
プレイバックシアターカンパニーでは、各々のリーダー(コンダクター)の思想・方針・姿形によって、色々なスリーサークルの形が生まれてくる。
1の場合 芸術性を重んじるカンパニー
2の場合 社会性を重んじるカンパニー
3の場合 リチュアルを重んじるカンパニー
上記は、3つのサークルを極端に1つ重んじるカンパニーと仮説を立てて記してみた。
するとどうだろうか?個人的な視点ではあるが、1の場合・2の場合というカンパニーは存在するだろうと推察する。でも、3の場合というカンパニーというのが存在するだろうか?という疑問が湧いてくる。3の場合を第1に掲げることはしないのではないだろうか?むしろ、リチュアルは根底にあり、なおかつ「1の場合 芸術性を重んじる」又は「2の場合 社会性を重んじる」とするのではないだろうか?(参照:図1)
「3つの要素が揃ってこそのプレイバックシアターである。」そしてその3つの中で、第1にあるのが「リチュアル」と考えることになるのでは
ないだろうか。
リチュアルは、プレイバックシアターを行う人・触れる人全てに、安全な場所を提供してくれる。つまり、プレイバックシアターに関わるその場所にいる全ての人が、場所を安全であることを望む。望んでいるのは安全な場所、その根底に流れているのがリチュアルである。したがって、その場にいる人がリチュアルを望んでいることになろう。
2−3−2 観客はリチュアルを求めている
前項で述べたように、観客も安全な場所を望んでいる。
「観客は、プレイバックシアターのメソッドも知らなければ、リチュアルも知らない。したがって、開演直後は猜疑的な雰囲気が存在することもある。しかし、ゆっくりとではあるが、儀式が始まり、その扉が開かれていくと人々の意識や気持ちが集中し、感情が高まる。当然の結果として、質の高いプレイバックシアターの場では、人々は強い情動的な体験をする。」※13
上記は、観客がプレイバックシアターを見て(触れて)、惹きこまれていく様子を表わしているが、その場が安全かどうかを無意識のセンサーが働かせ、安全であると確認出来れば、異空間の世界に惹きこまれようとし変容していく。この場合、観客は知らず知らずの内に安全場所を作り出すリチュアルを求めているのではないだろうか?私はそう考える。
2−3−3 リチュアルの再確認
リチュアルをそのまま訳すと「儀式」「儀式的行事」「儀式のように必ず守るもの」となる。リチュアルが存在することによって、プレイバックシアターの場に「安全」と「変容する力」がもたらされる。
〜中略〜 リチュアルを執り行う能力は、スキルを必要とするものである。トランスパーソナルな部分へと導く能力、ルールを守る能力、情動的なエネルギーを高揚させていく能力、言葉を少なく使いなおかつリズム感をもってたくみに言葉を操る能力、そして変容をゴールとして意識しながら場にいられる能力がこれに該当する。※14
上記の内容を図式化してみる。(図2)

3.「火を囲うこと」と「プレイバックシアター」の関係について
「火を囲うこと」が「プレイバックシアター」とどう関連があるかを思う際に、これまで述べたところより照らし合わせてみたい。
2−2−3項に「火」「囲う」の役割を記したものが、プレイバックシアターのリチュアルの要素の中にある。「火」はトランスパーソナルな次元を作り出す要素であり、「囲う」は安全な場所を作り出す要素である。
又、「火を囲うこと」の中には、2−3−3項に記している、リチュアルを執り行う能力も備わっている。1.トランスパーソナルな部分へと導く力・2.ルールを守る力・3.情動的はエネルギーを高揚させていく力・4.リズム感をもって言葉を操る力・5.変容をゴールとして意識しながら場にいられる力。これらの能力があるからこそ「変容する力」や「安全な場所」が生み出される。従って、リチュアルを執り行う能力も「火を囲うこと」の中に含まれている。
「火を囲うこと」はプレイバックシアターのリチュアルにあり、検証したい内容に示した通りとしたい。従って、以下のことが言える。
「火」 ⇔変容する力
「囲う」⇔安全な場所となる。
3−1 「火」のもう一つの大切な要素
2−2−2項に記してあるように、「火」にはもう一つ大切な要素が含まれている。それは、火を囲んだ人たちの話つまり、ストーリーとなることである。とても大切なことである。
当初より火を囲んだことに注目し、「火」と「囲う」について述べてきた。「火」には変容する力・「囲う」には安全な場所と前記に示している。もう1つの大切となるべくストーリーは、囲うことの構成される形が出来る事により、囲うということで明確になるものが安全な場所となったときに、前記の火が持つ役割の他に、生まれると思われる。
「…この輪のまん中には、中つ火が出来ます。みんなが持ち寄った様々な経験や知恵などが薪となります。お互いに敬意をもって聴こうという気持ちが発火剤になり、他の人の話をよく聴くことで理解の火花が散るのです。こうしてまん中の薪に火がつく。そして炎は常に動き変化していきます。」※15
今の内容に大切な要素が含まれている。これよりそれを説明したい。
「この輪のまん中には、中つ火が出来ます。」…この内容は、ストーリーそのものを伝えている。
「みんなが持ち寄った様々な経験や知恵などが薪となります。」…ストーリーとなるべく種。
「お互いに敬意をもって聴こうという気持ちが発火剤になり、他の人の話をよく聴くことで理解の火花が散るのです。」…リチュアルの変容する力を表している。
「こうしてまん中の薪に火がつく。そして炎は常に動き変化していきます。」…ストーリーとなるべく種が、変容する力を借りて、火がつく。つまり火は、ストーリーそのものとなる。
以上の様に、囲うことにより、火は本来の役割(変容する力)以外に、プレイバックシアターにとって大切な話(ストーリー)が出てくる現象が起こることになる。火を囲んだ人々は、変容する火を見ているところに、重ねてストーリーという火の現象を見ることになる。その火がいわゆるストーリーとなる。これらの火は、時系列で言えば、1)変容する力 その次に 2)ストーリーとなる。
3−2 「火」と「ストーリー」について
火には、リチュアルの要素である変容する力の他に、プレイバックシアターにもっとも重要とされるストーリーがあることが、前項よりわかる。
「火を囲うこと」と「プレイバックシアター」の関係を表2にまとめてみた。比較してみると密接な関係をしており必ず必要な要素であることが分かる。
「プレイバックシアター」と「火を囲むこと」の関係比較表
表2
|
「プレイバックシアター」 |
「火を囲む」 |
|
変容する力 ← 安全な場所 ← |
「火」…2-2-3項より 「囲う」…2-2-3項より |
|
話(ストーリー) ← |
「火」…2-2-2項より |
4. 結 論
結論から言うと、プレイバックシアターには、火を囲む集まりが存在している。
1−2項にて、仮説を立てた「火を囲う」ことについては、プレイバックシアターのリチュアルに必要な要素が含まれていることが、検証されたと解釈している。ただし、3−1項でも述べたように、「火」についてはもう1つの要素があることが分かった。この内容については、当初予想していなかったが、3−2項の内容で検証が出来たと判断すると共に、火については、もうひとつの重要要素である「ストーリー」を追加して、この検証を終わりとしたい。
検証した結果、私がプレイバックシアターを行う際に、まず第1前提としてリチュアルを念頭におくこと。
そして、プレイバックシアターに関わる全ての人に、安全な場所を提供することを意識し、話の種がストーリーに変容する力を信じて、プレイバックシアターの活動を行っていきたい。
5.終わりに
この卒業論文を作成する際に、心ある方々に時間を費やしていただいたことを感謝したい。
= 引用文献 =
※1 「図書館探検シリーズ 火の歴史」 P2〜7 小田英智著 リブリオ出版
※2 「図書館探検シリーズ 火の歴史」 P10〜19 小田英智著 リブリオ出版
※3 「図書館探検シリーズ 火の歴史」 P2〜3 小田英智著 リブリオ出版
※4 2006年5月リーダーシップTにて プレイバッカーズ 丹下一氏よりの言葉
(School of Playback Theatreにてブサン・モツミ氏より)
※5 「自然観の人類学」 P310 松井健編 榕樹書林
※6 「アフリカの創世神話」 P14〜15 安部年晴著 紀伊国屋書店
※7 「自然観の人類学」 P310 松井健編 榕樹書林
※8 「大辞林 第二版」三省堂提供インターネットより
※9 「図書館探検シリーズ 火の歴史」 P6〜7 小田英智著 リブリオ出版
※10 「プレイバックシアター入門」 P23 宗像佳代著 明石書店
※11 「ワークショップ ―新しい学びと創造の場―」 P3〜6 中野民夫著 岩波新書
※12 「プレイバックシアター入門」 P47〜49 宗像佳代著 明石書店
※13 「プレイバックシアター入門」 P54 宗像佳代著 明石書店
※14 「プレイバックシアター入門」 P54〜55 宗像佳代著 明石書店
※15 「ワークショップ ―新しい学びと創造の場―」 P3〜6 中野民夫著 岩波新書